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中村病院の外観

当院で対応している主な症状や疾患、そして行っている治療法についてご案内いたします。
心の不調は、誰にでも起こり得るものです。ご自身やご家族の心の不調が気になる方は、参考としてご覧ください。
受診を検討される際の目安としてお役立ていただければ幸いです。

主な症状

  • 気分が落ち込む
  • 周囲の人に悪口を言われている気がする
  • 不安が強く、いつもそわそわしてしまう
  • 物忘れが増えた
  • 人付き合いが苦手で、孤独を感じる
  • 部屋を片付けられない
  • 夜、なかなか眠れない
  • 体調が悪いのに、検査をしても異常が見つからない
  • ちょっとしたことで怒りっぽくなる
  • いつも誰かに見られているように感じる
  • 電車や人混みで動悸や過呼吸が起こる
  • 仕事や学校に行けなくなった
  • うっかりミスや忘れ物が多い
  • お酒をやめたくてもやめられない
  • 食欲がない、または食べ過ぎてしまう

主な疾患

うつ病

うつ病は、脳の働きに不調が生じ、感情・思考・行動に広く影響を及ぼす病気です。単なる気分の落ち込みとは異なり、自分の意思では立て直せず、日常生活に支障をきたすのが特徴です。

一時的なストレス反応では、時間とともに自然に回復することが多いですが、うつ病ではこうした状態が理由なく、長く、重く続きます。他人の支えがあっても改善せず、逆につらさが増すこともあります。

  • 気分の持続的な落ち込み、無価値感
  • 楽しさや興味の喪失(何をしても心が動かない)
  • 思考力や集中力の低下、判断が難しくなる
  • 睡眠や食欲の異常、疲労感
  • 死にたい気持ちが現れることもある

双極性障がい(躁うつ病)

双極性障がいは、感情を安定的に調節する脳の働きに障がいが生じ、気分が極端に高まる躁状態と、極端に落ち込むうつ状態を繰り返す病気です。感情と行動の制御が困難になります。

  • 躁状態:過剰な自信、多弁、過活動、睡眠欲求の減少、逸脱行動、怒りっぽさ、誇大的・横柄な考え
  • うつ状態:うつ病に類似する抑うつ症状

統合失調症

統合失調症は、自己と外界の境界が曖昧になり、現実を正しく認識・整理・統合する力(現実検討能力)が障がいされる病気です。脳内の情報処理機能の異常により、認知・思考・感情・行動が多面的に影響を受けます。
本質的には、「内と外」「自己と他者」の境界の混乱、情報の過剰な意味づけや過敏な認知が、行動や思考の異常に表れます。

  • 幻覚(特に他者の声で、命令したり批判したり、話しかけてきたり、といった幻聴)
  • 妄想(自分が監視されている、支配される、影響される、などの誤った確信)
  • 思考過程の障がい(会話や思考がまとまらない)
  • 感情表出の乏しさ、意欲の低下
  • 社会的関係からの孤立
  • 時に興奮を伴う

パニック障がい

パニック障がいは、突然の激しい恐怖と身体症状を伴う発作が特徴で、身体の危機反応が誤作動する病気です。

  • 発作時:動悸、息苦しさ、めまい、死の恐怖

  • 発作後:再発の恐怖により、特定の場所や行動を回避する(広場恐怖)
    特定の状況で症状が出現するのではないかという不安(予期不安)

強迫性障がい(OCD)

強迫性障がいは、脳の制御機構の異常により、無意味な行動や考え方と自覚しながらも強い不安や恐怖にとらわれ、特定の行為を繰り返してしまう病気です。

  • 頭から離れない考え(汚染、不完全、加害の恐れなど)
  • 手洗いや確認などの儀式的行動による安心追求
  • 実行しないと極度の不安や罪悪感が生じる

適応障がい

適応障がいは、特定の環境ストレスに対し、心理的適応力が限界を超えて反応する病気です。一時的な状態ですが、他の疾患へ移行することもあります。

  • 抑うつ気分、不安、焦燥感
  • 頭痛、胃痛、不眠などの身体反応
  • 社会生活への影響

社交不安障がい(社会不安障がい)

社交不安障がいは、他人の評価を過度に恐れることで、社会的場面における自己意識が過剰に高まる病気です。

  • 人前での緊張、赤面、震え
  • 会話や発表の場面を極端に回避
  • 評価されることへの強い恐怖

全般性不安障がい

全般性不安障がいは、特定の対象ではなく、生活全般に対する過剰な心配や不安が慢性的に続く病気です。

  • 日常のあらゆることに対する心配
  • 身体の緊張(筋肉痛、疲労)
  • 注意力低下、睡眠障がい

摂食障がい

摂食障がいは、自己評価と体型・体重が密接に結びついてしまうことによって発症する精神疾患です。感情調整の困難さが背景にあることもあります。

  • 神経性やせ症:極端な制限、拒食、体型への強い歪んだ認知
  • 神経性過食症:過食と排出行動(嘔吐、下剤)を繰り返す

発達障がい(自閉スペクトラム症)

発達障がいは、脳の神経発達の違いにより、他者の視点理解や柔軟な対応が難しい状態です。個人差が大きく、得意と苦手が共存します。

  • 対人コミュニケーションの困難
  • 特定の関心や行動への強いこだわり
  • 感覚過敏または鈍麻

ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDは、注意の持続、衝動の抑制、行動の制御に関する脳の働きに偏りがある神経発達症です。物事を後回しにし、時間を守ることが難しい場合もあります。

  • 注意散漫、忘れ物やミスの多さ、整理整頓が苦手
  • 落ち着きのなさ、多動性
  • 衝動的な言動や行動(他人の会話に割り込む、危険を考えずに行動する)

アルコール依存症

アルコール依存症は、脳の報酬系がアルコールに強く結びつき、制御できなくなる慢性疾患です。

  • 飲酒の開始や量のコントロール不能
  • 飲まないと離脱症状(手の震えなど)
  • 飲酒による社会的・健康的問題

薬物依存症

薬物依存症は、快感や不安回避を目的に薬物を繰り返し使用し、自己制御ができなくなる病気です。

  • 使用の強い渇望とコントロール困難
  • 使用中止での離脱症状や不安
  • 社会、家庭、職場での問題

認知症

認知症は、脳の器質的な変性や障がいにより、記憶や判断、行動の調整能力が低下する病気です。種類により経過や症状に差があります。

  • アルツハイマー型:記憶障がいが中心、進行性
  • 脳血管性:脳卒中などを背景に発症
  • レビー小体型:幻視、筋固縮、変動する認知
  • 前頭側頭型:性格変化や反社会的行動が目立つ

主な治療法

薬物療法

脳内の神経伝達物質のバランスの乱れが、こころの病気の原因の一つと考えられています。
薬物療法では、お薬の力でこのバランスを調整し、症状を和らげ、安定した状態を取り戻すことを目指します。

お薬の種類や量、服用方法などは患者様の症状や体質に合わせて慎重に決定し、他剤大量投与とならないよう、かつ必要最小限となるよう、常に配慮しております。

また効果や副作用について詳しくご説明し、安心して治療を受けていただけるように努めております。

抗うつ薬

憂うつな気分、興味や意欲の低下、不眠、食欲不振など、うつ病や 躁うつ病などの症状を改善いたします。脳内のセロトニンやノルアドレナリンといった神経伝達物質の働きを調整いたします。効果が現れるまでに数週間かかることがあります。

抗精神病薬

幻覚、妄想、まとまりのない考え、興奮など、統合失調症や双極性障がいの躁状態などの症状を和らげます。脳内のドーパミンなどの神経伝達物質の働きを調整いたします。

気分安定薬

気分の波(躁状態とうつ状態)を安定させるために用いられます。主に双極性障がいの治療に用いられます。

抗不安薬

不安、緊張、焦燥感などを和らげます。頓服として用いられることもあります。

睡眠薬

寝つきが悪い、夜中に目が覚めるなどの睡眠の問題を改善いたします。

精神療法(支持的精神療法)

支持的精神療法とは、一言で言えば「心の支えになる会話の治療」です。つらい気持ちや不安を抱えている方々のお話をよく聞き、共感し、少しでも安心して日常生活を送れるように、やさしく寄り添いながら支えていく方法です。

こんな人に役立ちます。
  • 悲しみで心がいっぱいの人(大切な人を失った、病気の診断を受けた など)
  • 不安や鬱で毎日がつらい人
  • 人との関係で悩んでいる人
支持的精神療法を継続することで、以下のような効果が期待できます。
  • こころが安定する、安心する
  • 勇気づけたり安心させたりすることで、元気や自信を少しずつ取り戻す
  • 生活や人間関係の悩みを一緒に整理し、問題にどう向き合うかを共に考える

こういったことを基にして、さらに認知行動療法や精神分析療法などのいわゆる特殊精神療法と言われるもののエッセンスも取り入れながら、こころの回復のお手伝いをいたします。

電気けいれん療法(ECT)

重症・難治性・遷延性の精神疾患(重症のうつ病・躁うつ病・統合失調症など)に対して行う、極めて効果の高い治療法です。
具体的には麻酔薬を用いた上で、頭部に安全な電気刺激を短時間加えることで、脳に意図的に短いけいれん発作を起こさせ、それによって精神状態の改善を目指します。
有害事象として、一過性の健忘・頭痛・嘔気・外傷に加え、極まれに麻酔薬によるアナフィラキシー症状がみられることがありますが、後遺症を残すような有害事象がみられることはほとんどなく、実は安全性の高い治療と言えます。

クロザリル(現在準備中)

当院では、従来の抗精神病薬では十分な効果が得られなかった、あるいは副作用のために十分な治療が困難であった、いわゆる「治療抵抗性統合失調症」の患者様に対して、クロザリル(一般名:クロザピン) を用いた治療を提供しております。

極めて有効性の高い治療法であり、治療抵抗性統合失調症において唯一効果の認められている薬剤です。豊富な知識と投与経験を持ち合わせた医師が対応しております。

顆粒球減少症・高血糖・心筋炎などの有害事象が報告されているため、CPMS(クロザリル患者モニタリングサービス)のプロトコールに従い、慎重に管理されております。当院では頻回の血液検査、副作用モニタリングをできる体制を整えており、万が一有害事象が発生した際にも、当院で適切な処置を施します。必要に応じて連携医療機関とも協力しながら治療に当たります。

薬剤の特殊性から、限られた医療機関でのみ治療が可能です。埼玉県では全国平均からみても投与可能な医療機関が少なく、非常に希少性の高い治療となっております。

クロザリルにより、自傷他害の予防、症状の改善、入院の予防などを通じ、その他の治療との相乗効果により社会復帰やより質の高い生活を実現いたします。

※順天堂大学附属浦安病院、吉川中央総合病院が当院の連携医療機関となっております。